2007年11月9日、東京泉岳寺の笹川記念会館におきまして、「平成19年度JNKAセミナー」を開催いたしました。 JNKA名誉顧問の小泉武夫先生、NPO法人プロフェッショナル・ドクターズ・ネット理事長の二宮淳一先生を講師としてお迎えし、一般の方を含め400名を超える方々にご参加いただきました。 概要のご報告をさせていただきます。

学術講演Ⅰ 「発酵食品と老化の制御」

  • JNKA名誉顧問 納豆博士 小泉武夫先生

全国的に発酵食品のブームをつくった小泉先生から、私たちの健康や老化の抑制と深く関わる、発酵食品の有益性についてお話いただきました。

微生物は、発酵の過程でアミノ酸やビタミン類、人体にとって有益な酵素などを産生し、元の食品とは比べ物にならないほどの栄養価や味の高いものになったりします。発酵食品は、「食べ物で病気を治す」とする漢方医学の考え方に対して理にかなっており、老化とも上手につきあっていくための大きな架け橋となるのが、ナットウキナーゼをはじめとする発酵食品であることを強調されました。

学術講演Ⅱ 「納豆の生理活性とサプリメントナットウキナーゼに期待するところ」

  • 心臓血管外科専門医
      NPO法人プロフェッショナル・ドクターズ・ネット理事長  二宮 淳一先生

二宮先生が行ったナットウキナーゼサプリメントに関するヒト臨床治験(二重盲検法)の結果をご報告いただきました。

ワーファリンを服用している高齢者30名(男性15人、女性15人、平均年齢59歳)を2群に分け、試験食としてナットウキナーゼサプリメントを6ヶ月間摂取させ、臨床症状と各種生化学的検査を比較検討しました。その結論、ナットウキナーゼ摂取群がプラセボに比べて、QOLの改善につながったと報告いただきました。 また、ナットウキナーゼへの今後の期待として、高血圧症や脂質異常症などの臨床試験の推進や抗血栓作用に関してより科学的な相乗作用が解明されることであるとされました。

講師プロフィール

東京農業大学教授   JNKA名誉顧問
専門は醸造学・発酵学・応用微生物学

1943年、福島県生まれ。実家は代々酒造業を営む。
東京農業大学醸造学科卒業。農学博士。
広島大学非常勤講師、国立民俗学博物館共同研究員、
NHK国際放送番組審議会委員、(財)東京顕微鏡理事、日本東京スローフード協会会長なども務める。

現在、NHK、日本経済新聞夕刊をはじめ、新聞、雑誌、テレビ、講演などで幅広く活躍中。単著95冊、共著22冊。

NPO法人プロフェショナル・ドクターズ・ネット理事長
健康の駅推進機構理事・前日本医科大学助教授
専門は、心臓血管外科・医用人工臓器。

1977年日本医科大学大学院医学研究科卒業後、
国立小児病院心臓血管外科医、
トロント大学心臓血管外科へ留学。
日本医科大学講師、米国クリーブランドクリニック人工臓器部客員教授を歴任。
小型補助心臓の開発を17年間行い製品化し、さらに次世代のタイプを研究中。
心臓血管外科専門医、循環器専門医、
産業医兼スポーツドクター